監査委員による審査意見書(令和3年度決算)

ひと言でいえば、村上議員の言う「いずれも正確適正であると認められた。」であるが、監査委員は細部に渡り、分かりやすい意見書を作成されている。定例会終了後の9月12日に決算書を閲覧させてもらった。気になる部分をピックアップ。

①財政力指数が前年度より減。臨時経済対策費の新設等に伴い基準財政需要額が増加したため、経常収支比率が改善された。しかし、自主財源となる町税は減少。厳しい財政状況は変わらない。自主財源の確保とコスト削減に努めること。現状、自主財源3:依存財源7の比率。

②町税収入は減少が続き収入未済額は依然として多額。滞納者と接触を図り、納税相談を十分に行う。債権の適正管理と高額滞納者には厳重な対応で、町民負担の公平性を確保するように。

③歳出について、人件費は2.550万円、物件費は3.400万円の増額となった。不用額については繰り越し事業が多額発生。相手方の承諾が必要な公有財産購入費や補償費は、未契約分や繰越を避ける等、十分な精査が必要である。

④補助金・負担金・交付金の支出については、公益性・有効性が求められる中、交付の適正・妥当性を十分に検討し適正な執行に努めよ。

この審査意見書を読む限り、経常収支比率の改善は感染症対策費として、国から頂ける予算が大きかったからに過ぎない。現在の基金の積み立てはおよそ25億となってはきたが、松田行政になってからの人件費の増加は立ち止まることをせず、遥かに町税を超えたまま増加し続けている。感染症が治まり国からの交付金も以前の額まで減少した場合厳しい町税で増えた人件費を今後どう維持させていくのか。③では事業計画がかなり甘く行き当たりばったりなのが指摘されている。ずさんな契約過程が見え、かなりの慎重さが求められるのではないか。基本的な事が守られていないという事である。締めていく必要がある。④番目は、(記憶に残るのは)コロナ感染症対策として3500万円をかけて藍染マスクケースを全世帯に配った事業も含まれている。この事業は多くの住民の疑問に納得出来る答えは出せなかった。決算認定に関しては予算編成に活かすため、財政運営の健全化に役立てるためにも、多方面の質問が欲しかった。

決算の審査意見書の報告(9月定例会最終日)

          決算を審査された監査委員より審査結果の報告

議会選出の監査委員である村上議員からの報告だった。最初の発言が「監査報告を私自ら申し出ました。審査の結果報告です。・・・」

いつもなら、慣例で民間から選ばれた代表監査委員が、「歳入歳出決算審査意見書」を概要と結果について、総括・歳入・歳出に分け、詳しく丁寧に説明されていた。

ところが、村上議員は題目と結果だけを述べ、「その事項については(数字上)いずれも正確・適正であると認められた」と報告。最後は議員に対して、「ご高覧をよろしくお願いします」で締めくくった。議会は誰のために何のために行われているのか。そこに納税者としての住民は存在しているのか。住民に分かりやすく行政運営を報告する使命があるという事を忘れているのではないだろうか。

報告終了後、議員に質問した。代表監査委員が欠席し代理で報告したがその説明もなく、その報告では内容が全く分からないと。村上議員は「監査委員は私事都合により欠席で、私は報告(審査意見書)を拒む事も出来た。報告はしなくてもよいのだ。」と答えた。毎年、丁寧な説明だった慣例を、この情報公開を求められている時代に、簡略化するのは方向違い。議会は議長権限で運営されている。議員の質問に対して答える執行部局の説明員は議長の要請で出席する。よって欠席した場合、議長が理由や代理説明者を指名する事ではないのだろうかと思うが。

監査委員から審査意見の内容を聞く事が出来ず、その後、議員からも決算について質問が無ければ、使ってしまった予算についての事はそれでいいじゃないかで終わってしまう。決算報告を受け質問無しでは、予算効果と行政効果を客観的に判断する時間を無くしたも同然。議会の存在意義をひとつ失ってしまった定例会だと感じた。決算認定制度がなぜ必要なのか。今後の改善や反省事項の把握と活用が、議会での決算認定の一番大きな意義であると、議員必携に謳われている。

一般会計補正予算審議(9月定例会)

  令和4年度総額 51億7500万円

 主な歳入=地方交付税1億900万円・繰越金1億7300万円

主な歳出=以下に示す(4億の財政調整基金取り崩しのうち△2億1000万円繰り戻す)

  9月補正予算 7300万円追加(主な事業費、万以下は略)

リサイクルセンター改修工事費     5000万円

「勤労青少年の家」解体工事費       550万円(遅くとも11月には解体業者を決定する予定)

防火水槽用地取得費(登記・鑑定料含)   170万円(個人の敷地、全体を売買するため買い取る)

災害時備品トイレ処理費          240万円(20.350円×120箱、全ての避難所用3日分)

小学校4校感染症対策とICT支援業務費       600万円(感染症等による修学旅行のキャンセル費用含)

 

議員への事前説明(リサイクルセンター建設について)

説明不足は誰の責任か!

4名の議員がリサイクルセンター建設について質問をした。問題は、高額の予算で行う事業についての説明は、時短で済ませることなかれである。小休中だったか、町長は全員協議会で説明した等と言われた。全議案の協議のための時間を使って、大型事業の説明は仕事熱心な議員たちに失礼だろう。

 前任者はよくそれを責められて、大型事業の説明のためだけに時間を取って議員に丁寧な説明をされていた。現町長はそれを見てきたのではないのか。そしてその間を上手く取り持つのが議長ではないか。前任者の時の議長は、松田町長。確かに執行部と議会との間を取り持つのが申し訳ないが上手くはなかった。議長は尋ねられるたびに、町長から相談がないと答えられていた。議会を円滑に進められるかは議長の腕にかかっている。相談がないなら、先に議会をないがしろにしない様、丁寧な説明をする時間を取って欲しいとはっきり町長に意見することが、議長の役目ではないのか。松田町長には動かなかった議長のイメージしか残っていない。

 今それを本浄議長にお願いしたい。毎回、説明不足の事案が見られる。議会の改革にしても同様で、議員間の話し合いの時間を取ろうとしない。そこに問題課題が山積するならなお更である。前議長は、議会改革に前向きで、各議員の間をとりなし各議員の意見をよく聞いていた。改革を推進出来る様に、また執行部の事前説明なども積極的に行動していたのを覚えている。その様な行動力が本浄議長には見えず、動かなければ物事も停滞し議会全体が動くことを止めてしまうのである。議長は議員の中でももっともエネルギーを発揮して動く議会のリーダーとして存在感を発揮すべきであると思う。他の議員より報酬ははるかに多いのだから。

固定資産税の課税漏れ(傍聴)

 8月4日の新聞報道によると2003年度から2022年度に渡り一部家屋への固定資産税の減免を続けていた。なぜ、このような事が継続され続けてきたのか。「不明」「事務引継ぎの不備」では済まされない問題である。町の損失は20年間、年約500万円となるようだ。

 今回定例会で税務課長は、「失効していたのに続けていた。概要が見えていないので、算定はしているがそれに時間がかかっている。明確な理由が答えられないのは、保存されている文書は無く、在職者の中で当時の状況説明が出来る者はいない。引継ぎに問題があったのだろうと思う。」と、1ヵ月経っても、答弁内容に変わりはない。

 乾議員の質問に対して、税務課長は「今後は、過去5年間は課税対象となるので、該当者には令和4年度のみ納期最終月の来年2月までを3期分、4期分をまとめた請求とする予定である。後の4年分は一括の請求となり、納税者には大変申し訳ないが分割請求とはならない。」と、答弁した。

 町長は「住民に対して不適切な事務処理を謝罪し、丁寧な説明をしていく。」と述べた。

 ここには、特別措置法が絡んでいるのだが、法律が廃止された時点で過去20年の間、5年間ごとに時限立法で延長し続けてきた経緯が足を引っ張っていたのではないかと思う。30年以上続けられてきた優遇措置を明確に切る事が出来なかったのは全て、行政担当職員の不作為であると思う。当時を知る退職された職員までさかのぼり原因を追究する事が出来るだろうか。同じ過ちを繰り返さないために。

 特別措置法が廃止されたのち、対象世帯に対して予算のない中でどの様な事業を継続し、どの部分を削減していくか、基本方針の具体的見直し計画が出来なかった事が問題の部分を作り出してしまったのではないか。住民にとっては、突然の課税に驚かれるだろうし、徴収にはかなりの抵抗もあるだろうと思う。大変な問題が隠されていたが、不作為という事では明るみに出た事は悪いことではなかったと、考えるべきではないだろうか。

リサイクルセンター建設について(傍聴)

建設予算  5,000万円

建造物   大型ゴミ回収場(1,000万円)・倉庫2棟(900万円)・事務所(移動)                    

      リサイクル分別置場「6区画」(400万円)・地面(400万円)・排水設備(500万円)

門扉3ヶ所(400万円)・諸経費(900万円)  

広さと完成時期  2,020㎡ 来年3月                             

運営方法  会計年度任用職員1名常駐(補助として人材センターから1名)                                                                                                                                                                                                                     

      年間18日から288日の受け入れに大幅変更(今後見直しもある)

人件費   建設されるまでの6か月間は、別の場所での予約制になる。人件費として122万円増

環境保全課長は、「センター建設後の運用変更は、いつでも片付けられる事で不法投棄を減らし、回収日を増やす事で受け入れ時の混雑が解消出来る。」と答弁。議員からは、今までの大型ゴミの量から考えて毎日の受け入れでは反対に人件費の無駄使いになりはしないかと意見が出た。その答弁はなかった。また、5,000万円の内訳に対する質問はあったが、金額への妥当性を問うことはなかった。深掘りするためには知識が必要になってくるだろう。

開会から一般質問の傍聴(9月7日)

質問が重なっていたのは、「リサイクルセンター建設」に対する費用と運営。4名の議員が質問。町財政に対する質問が重要であると思われるが、2名の議員しか質問していない。予算の概要は12月か3月に詰める事が望ましく、9月は決算期のため焦点を当てて詰める分野に切り込みを入れて欲しいと思った。今、本町の人件費には計画性が見られず、将来に向けて甚だ負担に成り得る現状しか見えてこない。その部分をどの様にあからさまにしていただけるのか関心を持って傍聴をした。また、新聞記事にもなった、「固定資産税の課税漏れ」に対する質問者が、1名だけとは。問題視するべきだと思う。これは原因追及を多方面から意見して頂きたかった。

一般質問順(7名)

富永議員=リサイクルセンター建設費用と運営・新型コロナによる経済対策

青山議員=新型コロナ感染状況と防止策

柏木議員=新型コロナの臨時交付金・物価高騰対策・高齢者外出支援策・通学路の安全対策・お悔みコーナーの設置

岩野議員=高齢者支援策・女性への支援と相談体制・ヤングケアラーへの支援

乾議員=リサイクルセンター建設費用と運営・固定資産税の課税漏れ原因と対策・令和3年度決算の基金と人件費・六条暗渠工事の進捗状況と今後・保育所と学童保育の受け入れ状況

安田議員=本年度の予算の執行状況・来年度予算方針・河川水害対策と防災・スマホ活用の情報提供・リサイクルセンターの運営・ゴミ減量策

坂東議員=農業支援策・水害の現状被害把握と対応、自主防災の現状・リサイクルセンターの計画と予算